予防をしよう
口の中の悪い細菌(悪玉細菌)を減らそう!
プラークコントロールって?
プラーク(歯垢)を除去することで、悪玉細菌の産物や毒素による生体への影響を減らし、歯周病やむし歯の発病・進行・再発を防止することです。
つまり、歯周病・むし歯の予防と進行停止の第一はプラークコントロールです。
患者さん自身でできるプラークコントロールとは
プラークコントロールには患者さん自身が行うプラークコントロール(ブラッシングなど)と歯科医・衛生士が行うプラークコントロール(スケーリング,ルートプレーニングなど)があります。患者さんが自分でできるプラークコントロールは次のようなものです。
(1)歯ブラシなど・・・
歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシ等を使ってプラークを除去することです。ブラッシング(歯ブラシを使ったプラーク除去)はプラークコントロールの最も基本となり、化学的方法はブラッシングの補助と考えて下さい。ブクブクうがいだけではプラークは除去できません。
(2)洗口剤など・・・
洗口剤などをブラッシング後の補助的な方法として用います(上の写真の緑色のボトル)。洗口剤でブクブクうがいを行います。
赤く染まった部位(矢印)がプラークです。
プラークコントロールが大切なわけ
- 体の病気の予防
- 歯周病・むし歯の予防
- 歯周病のセルフコントロール・・・初期の歯肉炎であればブラッシングによって十分に健康な歯肉を取り戻すことができます。
- 歯周病治療の成功への鍵・・・現在、歯周病の治療中の患者さんが、家で正しいブラッシングを行うことにより、治療がスムーズに進行し、治療の効果も高まります。
- 歯周病の再発防止・・・歯周病の治療後、メンテナンス(歯周病の治療が一通り終了し、定期検診を行うこと)の時期において、患者さんが家庭で正しいブラッシングを行うことにより、歯周病の再発を防止します。
- 口臭予防口臭の原因は歯周病をはじめとしたお口の中の病気によるものがほとんどです。これを予防・治療することが最も重要な口臭対策です。
歯ブラシは生涯、あなたの歯の健康のみならず、体の健康を守る一生のパートナーです。
プラーク中の悪玉細菌(歯周病原菌)と体の病気
- 誤嚥性肺炎
- わたくしたちの体は、食べ物を飲み込むときには気管にフタ(喉頭蓋)をし、気管や肺へ異物が入るのを防ぐ仕組みになっています.この反射が低下するお年寄りに、お口から気管を通って肺に入り込んだ細菌がそこで増殖し、肺炎を引き起こすことがあります。
- 心血管疾患(動脈硬化症や冠動脈疾患)
- 血液中に入りこんだ歯周病原菌が血管壁に感染すると、防御反応により作られたメディエーターが動脈壁の硬化を起こします。また、歯周病原菌の作用で血小板が塊となり、心冠動脈につまることもあります。
- 細菌性心内膜炎
- 歯周病原菌が血管を通って心臓の内膜に住み着き、炎症を起こすことがあります。
- 糖尿病
- 血液中に流れこんだお口の細菌はTNFαという物質を作ります。このTNFαはインシュリンが血糖中の糖の濃度をコントロールするはたらきを阻害します。
- 低体重児出産
- 歯周病原菌の成分である内毒素が免疫担当細胞を刺激し、プロスタグランディンやTNFαという物質を作り出します。これらの物質が低体重児出産の原因のひとつとなるのです。