口腔外科|口や顎のけが

口や顎のけが

口唇の裂傷

事故により生じた上唇の裂傷です。傷が比較的大きいので縫合を行う必要があります。審美的に重要な部位ですので、特にきれいに縫合する必要があります。口腔外科専門医は形成外科で使用する特殊な糸を用いて唇など口腔の解剖学的形態を考慮し縫合します。

口唇の裂傷の症例
口唇の裂傷の症例

舌の裂傷

転倒した際に歯で咬んで受傷したものです。縫合を行えばきれいに治癒しますが、舌は長時間伸展させておくのが難しく、不随意に動きますので、縫合には困難を伴います。また、お子さんの場合には泣き叫ぶので大人と同じようには行えません。口腔外科専門医はその辺を配慮し対処いたします。

舌の裂傷の症例
舌の裂傷の症例

歯の破折

歯の破折は、歯冠破折と歯根破折に分類されます。歯冠破折は、歯肉から外に出ている歯の頭の部分にとどまる破折で、この場合には普通に治療し、歯を残すことは可能です。しかし、本症例のように破折が奥深く歯根まで及んだものでは原則として抜歯の対象となります。

歯冠破折の症例
歯冠破折の症例

歯の脱臼

転倒により上顎前歯が脱臼しグラグラになったものです。元の正常な位置に戻し、固定する必要があります。約1か月間の固定で治癒しますが、受傷の際に歯の神経が切断されて壊死していますので、歯が固定された後、神経を抜いて治療をする必要があります。

上顎前歯が脱臼した症例
上顎前歯が脱臼した症例

顎骨骨折

下顎骨の右側の角のところに骨折線を認めます。骨折の治療というと整形外科を思い浮かべがちですが、顎の骨の骨折の場合には、口腔外科で治療を行います。それは顎の骨には歯がついているからです。顎の骨が骨折してわずかでもずれますと、歯は正常に噛み合わなくなります。噛み合せというのは非常に微妙なものですので、顎の骨の骨折の場合にはただ単に骨を接ぐだけでは不十分で歯と歯の噛み合わせを精密に治す必要があります。骨は接いたけれども噛み合わせがおかしいというのでは日常生活に支障をきたしてしまいます。治療には手術をしないでギブス固定をする方法と、手術をする方法がありますが、これは受傷の程度によって決まります。どちらの方法でも期間の長短はあれ、顎間固定といって口を縛って開かない(動かない)ようにする方法を用いますので、その間は流動食しか摂れなくなり栄養管理が必要となります。骨折が治癒するまでは約1か月間かかりますが、治癒後すぐには口が開かないので口を開けるためのリハビリも必要となります。顎骨骨折の治療は入院や全身麻酔下手術の可能な施設となりますので、大学病院を紹介いたします。

顎骨骨折の症例
顎骨骨折の症例

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