口腔外科|口腔粘膜の病気

口腔粘膜の病気

アフタ(口内炎)

舌の左側縁部に直径5mm程度の黄褐色の円形病変が認められます。これはアフタと呼ばれる潰瘍性病変(粘膜が剥がれた病変)で、接触痛の強い病変です。軟膏を塗って治療しますが、治癒するのに1週間から10日ほどかかります。大きなものが多発性に生じると激痛を伴い食事が取れなくなりますが、その場合には栄養剤を摂取するなど栄養の管理が必要となります。長期に渡って治癒しない場合は癌を疑うこともあります。

アフタ(口内炎)の症例
アフタ(口内炎)の症例

口腔カンジダ症

軟口蓋に白い粕状の病変を認めます。これは、口腔に常在する菌の中で真菌(カビ)が異常に増殖したもので(日和見感染)、身体の免疫力が低下した場合などに発生します。抗真菌薬を内服すれば比較的容易に治癒しますが、近年ではAIDSに伴う口腔カンジダ症もありますので長期間治癒しない場合や再発を繰り返す場合には専門医の診察が必要です。

口腔カンジダ症の症例
口腔カンジダ症の症例

地図状舌

舌の右側に白い枠で縁取られ内部が淡紅色の楕円形の病変を認めます。地図状舌といわれるもので、斑紋の形は日により変化します。原因は不明ですが、痛み等の症状はなく予後も良好です。原因不明なので治療薬はありませんが、悪さをする病変ではないので特に心配する必要はありません。

地図状舌の症例
地図状舌の症例

溝状舌

舌背部に多数の溝を認める病変です。通常症状はありませんが、炎症を起こしますと灼熱感を覚える場合があります。原因が不明なので、根本的な治療法はなく、対症療法が中心となります。

溝状舌の症例
溝状舌の症例

黒毛舌

舌の表面には密生する乳頭(舌のザラザラの原因となる小さな突起)が存在しますが、この乳頭の角質化が亢進して長くなり黒褐色になったものです。原因の多くは、抗生剤やステロイド剤の長期服用による口腔細菌叢の変化(菌交代現象)です。したがって、これらの薬剤の投与を中止すれば治癒します。

黒毛舌の症例
黒毛舌の症例

舌苔

舌背部の苔状の付着物を舌苔とよんでいますが、これは何らかの原因によって伸びた糸状乳頭(舌のザラザラの原因)の間に細菌や剥離した上皮、食物残渣などが停滞したものです。上部消化管の病気や、口呼吸、菌交代現象、舌運動の低下、唾液分泌の低下などが原因として考えられますが、特定することは困難です。多くは病的なものではありませんので心配する必要はありません。舌苔が厚く口臭が懸念される場合には、軟らかい歯ブラシで清掃を行うと効果があります。

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