口腔外科|精神的なものが関与する病気

精神的なものが関与する病気

舌痛症

舌のヒリヒリ感や灼熱感を主な症状としますが、診察が行われても何ら異常が認められません。口蓋などにも同様の症状が存在する場合があり、欧米では口腔灼熱症候群という診断名が用いられています。心の悩みやストレスが身体の症状として出現する心身症の一つと考えられています。 癌恐怖症(癌ノイローゼ)を伴っている場合も多く、普段は見ることのない舌を鏡で詳細に観察し、舌の奥の方に存在するブツブツ(誰にでも存在する正常なもの)を癌ではないかと強く思い込んでしまって来院する患者さんが多くいます。

すべての人に存在する正常な乳頭
すべての人に存在する正常な乳頭

口臭恐怖症(自己口臭症)

実際には口臭が存在しないにもかかわらず、自分で口臭があると思い込んでしまっている状態です。 実際には発せられていない口臭によって、自分が周囲の人から嫌がられているのではないかという妄想を生じてしまいます。 性格としては、まじめで几帳面、潔癖性の人に生じやすいといわれます。強迫神経症(ノイローゼ)の一つとしてとらえられています。

味覚障害

「味がわからない」、「味が薄く感じられる」「甘いものが苦く感じられる」、といった症状が出現します。原因は不明ですが、心因性が疑われる場合が多く認められます。心因を取り除くことで、数か月から1年ほどで改善してきます。 (従来、亜鉛不足説が強く唱えられてきましたが、実際に血液検査を行っても亜鉛が欠乏している人はほとんど存在せず、従って、亜鉛剤を投与してもほとんど効果がありません。)

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