市民新報コラム

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きれい社会の落とし穴 (2008年9月)

去る9月12日~14日まで第38回(社)日本口腔インプラント学会学術大会が東京国際フォーラムで開催され、3900名の参加で、盛況に終えることができました。学術大会では、市民フォーラムも開催されました。「免疫力をつける生活 きれい社会の落とし穴―アトピーからがんまでー」について藤田紘一郎東京医科歯科大学名誉教授に御講演をお願いしました。 私も市民フォーラムの座長としてお手伝いさせていただきましたが、藤田先生の素晴らしいお人柄、ご業績またご講演内容に感激いたしました。

最近、アレルギー病が増えており、花粉症にいたっては5人に1人が罹っている状況です。ところが35年前には花粉症などのアレルギー病は存在しませんでした。アレルギー病は回虫や微生物と接していると発症しにくくなり、むしろ現代のなんでも徐菌のきれい社会がアレルギーの発症を促進していることを先生はご研究であきらかにされました。また、きれい社会が原因の免疫機構の低下は、がんを発症しやすい環境を作り出しています。毎日、ヒトの体の中でがん細胞は発生しますが、免疫機構が正常であれば、そのがん細胞を殺すことができますが、免疫機構がおとろえるとがん細胞を抹消できなくなってしまうわけです。
そのためには腸内細菌叢のバランスのよい環境が必要です。よい環境であれば、T細胞、キラー細胞、Th1、それぞれを刺激・出現・増殖させ、がんの発生を抑えることができるそうです。そのためには植物性食品の摂取、腸内細菌を殺してしまうような防腐剤、殺菌剤、抗生物質が混入しているような食品の摂取をさけることが重要だそうです。また、免疫力を高めるには、笑い・笑顔のある暮らし、ストレスを避ける暮らしや自然と触れ合うような暮らしをおくることが重要だそうです。読者の皆様におかれましては、健康の維持・促進のために是非、藤田紘一郎先生の著書を書店にて購入され、熟読されることをお薦めいたします。

 

(文責:神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)

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