市民新報コラム

市民新報コラム

健康長寿とオーラルフレイル (2017年1月)

新年、あけましておめでとうございます。 読者の皆様におかれましてはすこやかに新年をお迎えになっていらっしゃることでしょう。

齢を重ねると、ジム通いや運動を始める高齢者の方も増えています。近年、東京大学高齢社会総合研究機構の飯島先生らにより「オーラルフレイル」の予防・対処の重要性が提唱されています。 齢を重ねると今までのように重いものが持てなくなったり、足がもつれるようになったりすることが骨格筋の衰え(加齢性筋肉減弱症状・サルコペニア)による運動機能を低下であることはよく知られています。
「オーラルフレイル」とは「歯・口の機能の虚弱」であり、サルコペニアになる以前にオーラルフレイルになり、体の機能低下に深く関与しているという考え方です。具体的にはお口の機能が低下すると、咬む力、舌や嚥下の機能が低下し、摂食が充分でなくなり、栄養摂取に問題が生じます。
また、歯の喪失をそのままにしておくと運動機能も低下するため、日常生活にも支障を及ぼします。見た目に問題があったり、滑舌が悪かったりすると他との交流を閉ざすようになり、引きこもりがちになり精神衛生に支障が生じてきます。また、歯の欠損をそのままにせずに入れ歯やブリッジやインプラントで機能歯を増やすことにより認知症の予防の一助にもなります。 病は気からと言いますが、「老いはお口から」といっても過言ではありません。老いに伴う虚弱化を予防したければ、数万円するサプリメントではなく、口腔機能を維持して、人間らしい自然な日常生活を送るようにするのが一番です。具体的にはどのようにすればいいのでしょうか?  まずは歯科医院に行って、抜きっぱなしの歯があれば、前述したように入れ歯やブリッジを作製してもらってください。同時に歯周病や虫歯の治療を行い、健康なお口と口腔機能を再建するのが大切です。 そしてその後は必ず、定期健診に通院し、口腔機能を維持するように努力してください。

(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)

2022年

2021年

2020年

謹賀新年with Corona

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年

2003年

2002年

2001年

2000年

1999年

市民新報記事一覧にもどる

上にもどる