市民新報コラム

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With Corona と理解 (2020年10月)

なかなか新型コロナウィルス感染症は終息を迎えることはできません。RNA連鎖であり変異しやすいためワクチンの開発が難しいことなどいろいろな理由が存在します。ヨーロッパでは第2波の到来と言われていますが、日本では終息とは言い難いものの一定数の感染者数、重傷者数に抑えることができています。
一時期、歯科治療が感染源になるような心なき報道もありましたが、現在、日本で歯科治療に由来する感染は一例も報告されていません。歯科医療従事者にも感染者が出ていますが、これは私的な時間での感染であり、仕事に関しての2次感染の報告もなされていません。むしろ口腔内に新型コロナウィルスのレセプター(受容体)があり、口腔内が不潔になっていると感染しやすいとの報告もなされています。日本人に少ないのはBCG接種やアジアでの新型コロナウィルスの変異による弱毒化など様々な理由が伝聞されていますが、どれも科学的な確固たる裏付けはありません。

感染拡大から7か月が経ち、With Coronaを迎えました。いつまでも経済や教育・生活を止めるわけには行きませんし、社会活動が再開するのはやむを得ないことであると思います。もちろん、マスクや人との間合いの大切さを継続することは必須ですが、「理解」と「優しさ」も必要であると思っています。今でも感染者の方への「差別」「無理解」が存在するように思えます。ウィルスは感染する相手を選びません。不用意が原因での感染もあるかもしれませんが、ルールを遵守していての感染もあります。感染した方への「理解」「いたわり」の気持ちを持つべきではないかと思っています。元来、人は「恐れ」を感じた時に「排斥」「差別」を行いがちになります。
我々が新型コロナウィルスを正しく理解し、正しく恐れることが感染への最大の自己防御力を発揮できますし、身近な方が感染された時に慈しみの心で接することができると思います。

(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)

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