市民新報コラム

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健康な国 日本 (2014年1月)

新年、あけましておめでとうございます。読者の皆様におかれましては、穏やかな新春をお過ごしのことでしょう。

昨年来、アベノミクス効果もあり、少しずつ低迷した日本に光が射しつつあります。しかし、アジア社会の不安定さや真の経済効果がすべての人々にいきわたっていないこと、また消費税増税とまだまだ安定した日本にはなっていないように感じます。医療制度改革においては、医療費抑制の方向性が示され、医療に携わる者にとっては、必ずしも明るい未来ではありません。年々、歯科の予算は削減の方向にあり、現在の患者さんのニーズに決して適合したものではありません。現在、歯周病と心疾患、脳疾患、糖尿病との関連性や歯周病と低体重児出産、早産との関連性、口腔内の不衛生と高齢者の肺炎との関連性もあきらかになり、健全な口腔内管理によって疾病を防いだり、罹患されている疾病の重症化を防ぐことができます。

お口は、食べ物の栄養を十分にとるための入口であり、「咀嚼」というヒトの第1番目の消化器官です。サプリメントなどもありますが、栄養は食物からとるのが一番です。また、最近では高齢者ほどお魚よりお肉を食べ、適度のたんぱく質を摂取することが大切であると言われています。また、「話す」「歌う」という人間本来のコミュニケーションのための道具であり、明眸皓歯という言葉もあるように審美的にも重要であり、コミュニケーションは健全な精神衛生にも寄与します。特に女性の方はお口に審美的な支障があると、笑えなくなったり、常に口元を手で隠し、伏目がちになってしまい、気持ちまで暗くなっている方も多く見られます。また、顎関節症は中年以降の女性に多い不定愁訴を悪化させてしまいます。虫歯や歯周病は、患者さんご自身の管理で予防や改善が認められる生活習慣病の側面もあります。まずは患者さんご自身が定期的に歯科医院で検診を受けるお気持ちになることが大切です。

(文責 日本口腔インプラント学会 理事 神奈川歯科大学客員教授 ・医学博士 簗瀬 武史)

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