市民新報コラム

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熱中症と脱水症状(2019年5月)

初夏を迎えて暑い日が続いています。寒さ厳しい真冬と真夏日が続く7月、8月はご高齢の方にとって通院が一苦労になります。特に真夏は熱中症のために命の危険も伴います。当院でも来院された方に待合室のハワイアンウォーターを十分に飲んでいただくようにしています。

脱水症状が長く続くと血液がサラサラでなくなり、血栓を作りやすくなり細い血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞を起こしやすくなります。冬は脳出血、夏は脳梗塞に要注意です。
ご高齢の方は「体を冷やす」ことを嫌い、クーラーを使いたがらない傾向がありますが、今の時期は26~28℃に温度設定を行い使用されるのは必須です。外気温が体温より高いのですから、窓を開けて扇風機で涼を取るというわけにはいきません。特にご高齢の方は血圧や体温調節などの体の変化に対応する予備力が低下しています。また、朝起きたらコップ1杯の水を、時間を決めて定時にまた1杯を続け、就寝前には1杯の水を飲むように心がけてください。男性の皆さんは散歩や軽い運動の後に冷たいビールで水分補給とお考えかもしれませんがこれはダメです。アルコールには利尿作用がありますし、濃度の高いアルコールはさらに摂取量を超えた水分不足になってしまいます。「お水」と「アルコール飲料」は別物です。慢性的な水分不足のよる脱水症状は重篤な熱中症を起こす危険があります。温めのお風呂で足湯をしたり、軽い運動をして一日に1回「汗」を流すことも心がけてください。冷蔵庫に「OS-1」という薬局で売っている経口補水液を常備するのも一案です。これはお水よりも吸収が早いために緊急時には有効です。また、生鮮食料品などの保冷剤も捨てずに冷凍庫に常備していると症状が出た時に腋の下に挟んで体を冷却するのに使うと有用です。
もしも、吐き気がする、体がだるい、しびれるなどの熱中症の症状を感じたら、水分を補給して躊躇することなく119番することをお奨めします。 (文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬 武史)

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