市民新報コラム

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健康と幸せ (2021年12月)

私は少々、活字中毒で毎朝、30分ほどは入浴するのが習慣です。このコロナ自粛状況でさらに活字に触れる時間が増えました。
恋愛小説以外は歴史から心理学、経済小説まで乱読です。直近ではアドラー心理学の書を読んでなるほどと思いました。

新型コロナ感染された方の中には後遺症が発現され、体調不良になったり、コロナ自粛で「自粛疲れ」により精神的に支障が出ている方、またコロナに関わる経済状況の悪化により精神的・身体的に過度にお疲れの方も多いかと思います。最近のマスコミ報道を見ても世の中を明るくする、みんなを元気にすることよりも国民の不安を煽るような報道、言葉の使い方が散見されます。
その反面、「健康長寿」「安心・安全」という言葉も多用されています。 特に「健康長寿」という言葉には考えさせられます。健康で長生きすることはたいへん素晴らしいことですが、いつか人は病に罹患したり、加齢とともに死は訪れます。私も還暦をこえていますが、いつ?病に侵されるかわかりません。また、若くしても病と闘っているかたも多いかと思います。健康であることは幸せのファクターですが、健康でなくても人は多くの幸せを得ることができます。健康やお金持ちになることを目標とすることは良いかもしれませんが幸せを得るための手段ではないということです。ご家族やご友人が励ましてくれる時間、心のこもった看護の時間が幸せを感じる瞬間です。
私の亡父はおにぎりを握り飯と呼んでいました。今ではコンビニで買えますが、手作りの梅干しの握り飯はとても美味しかった記憶があります。握り飯、から揚げ、卵焼きは美食の三種の神器だと思っています。 コロナというある意味では戦争と匹敵するほどの恐怖と苦労を皆が背負いました。コロナが完全終息したら大きく社会構造が変わるのではないかと思っています。私たちも今、その瞬間にある幸せに気づく努力をして心休まる瞬間を得ることが大切ではないでしょうか?

(文責:神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬 武史)

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