市民新報コラム

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新型コロナの知るべき知識・予防 その3 (2021年4月)

新型コロナウィルスの感染予防は、まずは「手洗い」とソーシャルディスタンスを保ち「唾液による飛沫感染」を防ぐことが周知されていますが、私は「お口を清潔に保つこと」がさらに重要とお伝えします。

先々月号でお伝えしたように新型コロナウィルスは舌や歯周ポケットで増殖します。舌の表面には舌苔が付きやすく、歯周ポケットも歯周病菌やヘルペスウィルスなどの増殖の温床ですから新型コロナウィルスの増殖の温床となる可能性を否定できません。つまり、お口にはいった新型コロナウィルスが増殖されて数が増えて「感染」が起きるのです。新型コロナウィルスは上気道、唾液腺や舌、歯肉を通じて感染することがわかってきています。このような感染経路なのでお口の中を清潔に保つこと、特に介護を必要とされている方は綿球や舌ブラシなどを使い舌の表面を清潔に保つことが重要になります。

新型コロナウィルスに感染すると「味覚」がわからなくなりますが、その前に「口内炎」が多発することも報告されています。また、ワクチン接種が始まりますが、ワクチンの効果は100パーセント有効ではありませんし、ワクチンを接種していても他の人に感染させるリスクはあります。ワクチン接種後も感染予防を徹底させなければいけません。テレビで若者が「自粛疲れ」と言って公園で酒盛りをしているような光景が散見されます。新型コロナウィルスとの戦いは国民が一体となって行うべきことであり、若者や健常者が基礎疾患をお持ちの方やご高齢の方、ご家族を守るために率先して感染予防を遵守すべきことだと思います。

21日に緊急事態宣言が解除され、桜も全国各地で咲き始めました。例年であれば車座になり、お酒を酌み交わし、楽しい時間を過ごすことができます。今年に限っては「静かに花を愛でる」ことに専念し、外出自粛の夜は読書に親しむ時間を楽しむことを一考してはいかがでしょうか?静かに過ごす春の夜も素敵ではないでしょうか?

(文責:神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)

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