1月23日発刊の週刊文春に医療ジャーナリスト長田昭二先生が上記テーマで寄稿されました。お手伝いをさせていただきましたので私の顔写真とコメントが出ましたが、週刊文春に掲載というと「遂に文春砲の餌食か?!」などと友人にからかわれてしまいました。3か月間ぐらい、「お口と健康」に関して記事の要旨も含めてご紹介したく思います。
歯科医学の進歩によりお口の中の限局的な疾患と思われていた「歯周病」が実は多くの全身的な疾患に関与していることがわかってきました。筋肉量が減って日常生活の身体機能にも影響ができるような状態をサルコペニアと言います。サルコペニアになると転倒や骨折などを起こし、寝たきりになるリスクが高まります。サルコペニアの改善には運動と食事が大切です。サプリメントを毎日、摂取されている方も多いかと思いますが、「良質の食事」に勝るものはありません。特にサルコペニアの方は良質のたんぱく質の摂取が必須です。赤身の肉、鶏肉、まぐろや牛乳などです。良質の食物の中にはヒトが自分のカラダの中で作ることができないアミノ酸も多く含まれています。このような食事摂取と少し負荷をかけた運動が筋肉の再生をもたらします。
ところが歯周病で歯を抜いたり、歯を抜いても入れ歯などを作らないでそのままにしているとうまくものを食べることができない状態になります。 生きていくためには「食べ物」が必要ですからカステラやお饅頭など軟らかくてカロリー摂取ができる甘いものばかりになりがちです。このような口腔機能の低下や食の偏りの状態をオーラルフレイルと言います。オーラルフレイルになるとさらにサルコペニアを悪化させれる負のスパイラル(循環)に陥ってしまいます。このようになると運動機能はさらに低下し、衰えは進行し、歩けない、日常生活が営めないといった介護を要するリスクが高まるロコモティブシンドロームと言う状態になります。次号に続く・・・・
(文責:神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)