市民新報コラム

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謹賀新年(2013年1月)

読者の皆様、あけましておめでとうございます。本年が皆様にとって健やかな一年になりますよう祈念いたします。 一昨年は東日本大震災、昨年は外交や政治の混迷で多くの人々が不安や不信感を感じた年でした。若者の正規雇用も減少し、将来の日本を担う力まで失われつつあります。原発や震災の影響で未だ16万人が故郷に戻れない状況も異常と言わざるを得ません。経済状況もデフレ克服のためにコントロールされたインフレへの舵取りになりそうですが、この20年間、コントロールできなかった経済が、この半年や1年で豊かなものに変わるとも思えません。なんだか、暗いことばかり述べているようですが、こんな時代だからこそ、みんなが希望を持てるような国の枠組みが必要なのでしょう。 今まで、ご苦労をされた高齢者の方が経済的なことを心配しないで老後を過ごせるような環境、若者が夢と希望を持って汗を流せるような労働環境、安心して子育てができるような環境づくりを国が早急に行う必要があるかと思います。きっと、本年は改善されることは早急に変わるような一年になることでしょう。 私は職業柄、経済や政治では寄与できませんが、皆様のお口から始まる全身的な健康増進の一助となることはできます。一年、一年と齢を重ねてきていますが、常に原点回帰をし、診療だけでなく、社会や歯科界への献身的な努力を怠ってはいけないと思う、今日この頃です。昨年より老人保健施設での訪問診療を行っていますが、入れ歯がなく流動食を食べて心までしずんでいた入所者の方が、入れ歯を作ることにより、普通食を食べ、コミュニケーションを取れるようになり、その方より笑顔で感謝されるという歯医者冥利に尽きる貴重な体験もしました。何かのために、誰かのために、何を自分は成すことができるのか?常に原点回帰しながら模索していく、まだまだ不惑の一年を送りたいものです。

(文責 医学博士 簗瀬 武史)

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