市民新報コラム

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睡眠時無呼吸症候群 (2022年10月)

家人から「いびき」「呼吸が止まっている」「息を苦しそうにしている」と指摘され、私自身も「疲れがとれない」「眠くなる」といった症状に悩まされていました。 耳鼻科医に相談をし、簡易モニタ検査をしたところ「重症」との結果をもらいました。血液中の酸素濃度の指標である動脈血酸素飽和度が低酸素症(90%)を下回る69%でした。 また、1時間当たり40回の無呼吸・低呼吸でした。

睡眠時無呼吸症候群は睡眠中、上気道が狭くなり、10秒以上の呼吸の停止や止まりそうな弱い呼吸が繰り返され、かつ日中の眠気などの症状を伴うときに診断される病気です。疲れがとれない、夜中に目が覚めるといった自覚症状、いびきなどの症状があります。
神経疾患、心房細動、不整脈、心不全などによって引き起こされる上気道の閉塞に起因しない中枢性睡眠時無呼吸症候群(CSAS)といった病気もあります。睡眠中、酸素不足や浅い眠りになるだけでなく、動脈硬化病変を形成し、心疾患を起こす危険性もあります。日中に眠気を強く感じたり、集中力の不足や運転中の居眠り運転による交通事故などの危険性も発生します。
いびきを伴う無呼吸症候群は肥満が原因と言われていますが、アジア人の場合は下顎が小さい、顎が後退しているなどの骨格的な原因もあります。治療法は下顎を前方に持っていき上気道への圧迫を軽減する睡眠時に使用するマウスピース、気道に空気を送り込み続け圧力により気道が塞がるのを防ぐCPAP療法があります。太っている方の手始めは減量です!二重顎からの脱却です。 睡眠時無呼吸症候群は放置しておくと「死」につながったり、交通事故で思わぬ贖罪を背負わなければいけなくなる恐ろしい病気です。私自身も簡易結果の検査が出るまで加齢によるいびき、疲れだと軽視していました。私の場合は減量とCPAP療法が必要と思われますが、みなさんも上記のような症状があれば耳鼻科医に相談されることをお勧めします。

(文責:神奈川歯科大学 客員教授 医学博士 簗瀬武史)

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