市民新報は数十年におよび朝霞を中心として県西南部で地域密着型の情報発信を行ってきました。
先日、発行人である吉田さんより市民新報の休刊のお知らせをいただきました。新聞の購読者数の減少が同時に配達される市民新報の発行部数の減少に影響をおよぼした結果とのことでした。
朝霞を中心とした県西南地域はこの数十年で市街地の開発も進み、人口も増加傾向にあり、そのコミュニティーの形成期に市民新報が果たした貢献は多大なるものがあると思います。私も縁あって1999年より市民新報に毎月、健康記事を書かせていただきました。この約20年間に戦争、東日本大震災、インフルエンザ、新型コロナウィルスなど命に関わるさまざまなことが起きました。忙しい中で原稿の締め切り日を忘れて吉田さん、長崎さんにご迷惑をかけることもありました(ごめんなさい!)。私は歯科医師ですから口腔衛生が中心となりますが、毎月1回、804文字で皆さまに何を伝えるか?お役に立てるか?と考えるのが楽しみでした。少しはお役に立てたのではないかとわずかな自負もあります。
情報発信の形態がかわり、インターネット中心になってしまいました。私は紙に印刷した「本」でしか読書はしません。インターネット情報は流れる水のようです。情報発信の責任も明確でありませんし、次から次へと氾濫する情報にヒトが溺れてしまいそうになります。以前、吉田さんから私の記事を切り抜き、大切に保存してくださっている読者の方がいらっしゃるとお伺いしたことがあります。文責を持ち書いた記事が残ることはうれしいことです。22年間の文字数を計算すると10数万文字になります。これも私の財産です。いきなり、これだけの文字数は書けません。これも市民新報のおかげであると感謝しています。近い将来にまた市民新報が復刊され、皆様と紙面でお会いできることを心から願っています。吉田さん!長崎さん!ありがとうございました!
(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)