市民新報コラム

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正しいブラッシングについて(2000年6月)

患者さんからよく「先生、毎日ちゃんと歯ブラシしているのに」と言われます。口腔内を拝見すると磨いてほしいところが磨けてないのです。虫歯も歯全体がなりやすいのでなく好発するところがあります。まず、隣同士の歯が点状に接しているところです。健康な歯でも咀嚼時に生理的に動きますから接触しているところのエナメル質にクラック(ひび)がはいりやすくまた歯並びによっては点でなく歯と歯が面で接触しているためその部分が磨けません。磨きにくい方は歯ブラシと「デンタルクロス」(糸ようじ)を併用するべきです。次に歯の溝です。特に、歯石がたまりやすい奥歯の臼の部分の溝は丁寧に磨いて下さい。歯を磨くときは1歯ずつ磨いてほしいのですが、大きな歯ブラシを使ったり、時間がないと横磨きで3~4歯ずつ磨いてしまいます。また、ご自分では磨いているつもりでも一番奥の第2大臼歯まで今朝喜が届いていない場合も見受けられます。
歯周病の予防・改善のためには歯冠と歯肉の境目の歯周ポケットの清掃です。歯周病菌はこの溝に潜んでいます。歯冠の部分の清掃だけでは歯周病の予防・改善にはなりません。歯石を歯科医院で除去してもらい、毛先のやわらかめ(硬い毛先のほうが清掃しやすいわけではありません)の歯ブラシを使って丁寧に磨いて下さい。特にブリッジ(欠損しているところに被せること)が装着されていたり、すでに歯周病が進行している方は必要に応じて「歯間ブラシ」も併用してください。歯磨き粉の効能について質問されますが基本的には歯磨き粉の薬効に頼るのでなく、歯ブラシでこそぎ取るという機械的清掃を中心に考えてください。ブクブクとした泡できれいになるのではありません。紙面の都合で具体的なお話はできませんが、ブラッシングこそが虫歯の予防・歯周病の治療だと思ってください。
なるべく早く歯科医なり歯科衛生士なりに正しいブラッシングの仕方を教わってください。

 

(医学博士、日本口腔インプラント学会認定医 簗瀬 武史)

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