市民新報コラム

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訪問歯科診療(2011年11月)

介護保険や年金問題などご高齢の方の社会保障は問題が山積しています。もうすぐ、4人に1人が高齢者となる社会になります。比較的、若い人が多い埼玉県も急速な高齢化が進んでいます。この社会の変化はわれわれ歯科医にも従来と異なる役割を要求しています。以前は機材の問題もあり、歯科は内科と違い、往診で行える診療は限られてしまいましたが、現在は訪問診療用の機材も充実し、診療室での治療レベルの診療がおこなえるようになり、患者さんには大変喜んでいただいております。

そんななかで、私は寝たきりの方や高齢者の方の楽しみはなにか、元気の源は何かと思い起こし、今さらながら、それは「食」だということを再認識いたしました。あまりにも細かくきざんでしまっている食べ物やミキサー食では、栄養を補うことはできても、食感を楽しむ本来の「食」の喜びは半減してしまいます。残念ながら、入れ歯をお持ちでなかったり、あわない入れ歯だったりしますと健全な「食」を行うことはできません。また、入れ歯をお持ちでもその管理方法をご存知なく、口腔内が不潔ですと口の中の細菌が原因となって肺炎などを起こします。

健全な咀嚼は、唾液の分泌を促し、自己免疫能力を高め、咀嚼筋の力強い動きは脳への刺激となりボケを防ぐといわれています。 歯科医師の訪問診療は、まだあまり知られていないのが現状ですが、急速に進む日本の高齢化社会においては、必要不可欠なことだと思います。歯科医の役割も「歯」から「口腔」「全身的な健康」への寄与と進化しています。具体的に訪問歯科診療を希望される方は、かかりつけの歯科医院に問い合わせるか、朝霞地区歯科医師会の事務局に問い合わせますと往診を行っている歯科医院紹介してもらえます。  さまざまな変化を見せている現代ですが、医療も大きく変わろうとしています。 痛い、痛くない、のレベルの医療は終わりの時代にしたいものです。


(医学博士、公益社団法人日本口腔インプラント学会 理事・指導医 簗瀬 武史)

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