市民新報コラム

市民新報コラム

金属アレルギー(2005年06月)

臨床では様々な悩みをお持ちの患者さんがおみえになりますが、「金属アレルギー」を主訴としておみえになる方もいらっしゃいます。ただ、従来は皮膚科と歯科の連携が取れていなかったため、十分にご理解していない方もいらっしゃいました。

歯科の場合、お口の中に多くの合金が使われています。咬むことで金属は磨耗し、唾液は電解液として、また、熱いものを飲むことなどを通じて、それらの合金はイオン化して溶け出し、それらは体内に取り込まれます。

ヒトの体は細菌や異物を排除しようとする免疫反応をもっています。免疫反応とは入ってきた異物(抗原)に対してそれを排除するための特定の蛋白質(抗原)を作り、攻撃を始めることです。ヒトが生きていくために重要な防御反応ですが、時には花粉やそば、牛乳、卵など悪玉でない異物や自分の臓器にもヒトによっては過剰に反応してしまいます。

金属アレルギーも体内に取り込まれた特定の金属イオンに対してヒトが過剰反応してお口の中の粘膜やピアス、ネックレスなどをつけている皮膚、ときには全身的な症状がでてしまいます。
金属アレルギーは、例えば、パラジウムや銀など特定の金属への免疫反応ですから、ヒトによりアレルギーの原因になる金属は異なりますから、その診断はパッチテストといって数種類の金属を皮膚にはってその反応を調べ、金属を特定します。その後に、別の金属やセラミック・レジン系の充填物に交換する治療を行ないます。

ただ、厄介なのは水銀です。水銀との合金はアマルガムと言われますが、歯科では銀と水銀の合金が使われています。水銀の含有率は50%ですが、この合金はお口の中で劣化していきます。厚労省の見解では現在問題にされていませんが、諸外国では水蒸気化した場合の肺からの吸収、体内への蓄積など警告が発せられています。また、セラミック系の充填物は健康保険外の材料ですので患者さんのご負担が増えることも問題です。

 

(文責・医学博士 簗瀬武史)

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年

2003年

2002年

2001年

2000年

1999年

市民新報記事一覧にもどる

上にもどる