市民新報コラム

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しみて痛い!(2003年7月)

多くの患者さんが主訴として「しみる!」とおっしゃいます。

しみるという症状はいろいろな原因があります。まず、ブラッシング時に歯ブラシがあたるとピリッとする場合があります。これは歯軋りやくいしばりが原因で歯茎との境目の歯冠の歯頚部のエナメル質が剥げ落ちてくさび状に欠損し、知覚過敏症になっていることが考えられます。
この場合は冷たい水でお口をゆすぐと同様にしみてしまいます。治療法は欠損部分にレジンやセメントの充填、薬剤塗布、レーザー照射等を行い、症状を軽減させるようにします。
虫歯ではありませんから、あまり削ったり、神経を抜いたりしないほうが賢明です。

しみる症状も「冷たいものがしみる」か「温かいものがしみる」により歯の状態は異なります。冷たいものの場合は必ずしも病的な状態とは限りません。当然、虫歯の時はしみますが、深い虫歯を治療した直後や前述の知覚過敏症のときはしみます。

歯には虫歯を治す力はありませんが、温熱刺激から歯髄(歯の神経)を守ろうとする力はありますので刺激が伝わりやすい部分に第2象牙質という歯質が形成され、徐々にしみなくなってきます。「歯がしみるにもかかわらず、歯科医にもう少し経過を観察しましょう」と言われるケースはこのような場合です。ただし、温かいものがしみる場合は要注意です。虫歯が深く、歯髄まで感染をおこして化膿している場合が大半です。この場合、歯髄を抜かなければ(抜髄)なりません。

また、我々、歯科医はなるべく歯髄を抜かずに歯を生かした状態で保存しようとしますが、歯髄の切断や薬剤による神経の保存治療の効果が得られない場合は治療した後、時間の経過とともに温かいものがしみてきます。この場合は残念ながら歯髄を抜かなければなりません。多くは脈を打つような痛みを感じます。

「しみる!」時は必ず原因があります。「気のせい」ではありませんので早めに歯科医に診てもらうことをお勧めします。

(文責 医学博士  簗瀬武史)

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