市民新報コラム

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「チタン」って何?(2006年11月)

歯科医が臨床で用いている歯科インプラントは現在ではチタン製品に収束しつつあります。また、「チタン」は、歯の被せ物や入れ歯、整形外科分野やメガネ、ゴルフクラブにも使われています。  チタンは空気に触れると酸化膜という酸素の膜に被われて、他の金属と異なり、金属イオンが溶けにくい状態になり(金属も溶けるんですよ)、金属アレルギーの出現が極端に少なく、生体において異物反応が出ないため、医療応用されています。

以外にも「チタン」の歴史は浅く、約200年前のイングランドにおいて、「チタン」が元素として発見されました。そして、1948年に米国での工業生産が始まり本格的な実用化段階を迎えました。その後、チタンは、ジェットエンジンの材料など航空機産業を中心として、そのユニークな性質から飛躍的な発展を遂げてきました。

また、「チタン」は地殻に存在する元素として全元素の9番目であり、実用金属としては鉄、アルミニウム、マグネシウムに次いで4番目に多い元素で、地殻中では酸化チタンとして存在します。無尽蔵に地球上に存在し、枯渇の心配はありません。

「チタン」の強度はアルミニウムの6倍、鉄の2倍もあるため、チタン合金は、特に航空宇宙産業で実用化が進みました。「チタン」は海水に対する耐食性も優れているため、電力・エネルギー産業では、火力・原子力発電所、海水淡水化装置などに使われています。酸化チタンは安全で環境に優しい顔料として注目されています。 代表的なものとしては、サンスクリーン用化粧品の紫外線防御剤として使用されています。また、光触媒としての光を受けると環境汚染物質である有機物の分解除去や殺菌、防かび、脱臭等を行うなどの多くの効果を発揮する光触媒用酸化チタンやアパタイト被覆二酸化チタンも脚光を浴びています。脱臭剤やシックハウス症候群改善のために建築材料・白衣・シーツ・ガードレール・防音壁など道路建設資材にも使われています。


(文責 医学博士 簗瀬 武史)

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