市民新報コラム

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喫煙とストレス(2002年9月)

歯周疾患を増悪させる要因としては患者さんの口腔内管理の不徹底、例えば、日々のブラッシングを怠ることや歯科医院での検診や歯石の除去を行なわないことが挙げられます。また、糖尿病などの代謝性疾患の悪化もその要因として明らかになっています。意外なのは喫煙が歯周疾患を悪化させる要因である点です。過去の研究によって喫煙が血管系や免疫、炎症などの体のシステムに影響を及ぼして歯肉の退縮や歯槽骨の吸収など歯周組織の破壊を起こすことが見出されています。その程度は喫煙の本数やその期間と相関関係があります。つまり、ヘビースモーカーで長年吸っていた人ほどそのリスクは高くなると言えます。また、インプラント(人工歯根)の場合、天然歯よりも歯周疾患により骨の吸収を起こしやすいので喫煙は大敵と言えます。また、意外なのは精神的ストレスも歯周疾患を悪化させることです。これも離婚、近親者の死といった「生涯の出来事」に遭遇した人々や金銭的な悩みによるストレスの精神社会学的評価による研究により明らかにされています。ストレス(精神的な落ち込み)は人の免疫反応に悪影響を及ぼしますから、歯周疾患のみならず、全身的な疾患への影響も多大であるといえます。では、どうすればよいのでしょうか?大切なのは「出来る事」から始めることです。まずは、日々のブラッシングを徹底して行い、歯科医院での検診・治療への抵抗感を無くしていただくことが一番であると思います。喫煙という生活習慣を止めることはなかなか難しいことですし、生活・精神的環境をいきなり変えてストレスを感じないようにすることも難しいことです。その次には「歯周病の恐ろしさ」「歯周病が全身へ与える影響」を患者さんご自身が認識してそのための努力の必要性を理解してくださることです。歯科医院で一度、ご相談されてはいがかですか?私自身ですか?ストレス、喫煙・・・医者の不養生と言わざるを得ませんね。


(文責 医学博士 簗瀬武史)

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