市民新報コラム

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入れ歯について(2003年2月)

皆さんの中で入れ歯をお使いの方、入れ歯は合わなくて当たり前だと思ってあきらめていませんか?私は入れ歯だから…といって暗くなっていませんか?しかし、入れ歯でもしっかりしたものを作れば、歌を唄ったり、食事を楽しむことはできるものです。通常、保険診療の部分入れ歯では、歯にクラスプという金具を掛けて安定させようとしますが、健康保険外診療ですと歯科専用の磁石を利用したり、アタッチメントといって凹凸の仕掛けを組み込んで精密な入れ歯を作ったりすることもできます。また、歯が全くなくなってしまった場合の総入れ歯は、歯ぐきに直接入れ歯をのせるのですが、歯周病で歯を失った場合や合わない入れ歯を長年使用していると歯槽骨がやせてしまい、維持が悪く、安定した入れ歯を作るのが難しい場合もあります。どうしても総入れ歯ががたつく場合やより強固に動かないようにする場合にはインプラント(人工歯根)を骨に埋め込んで入れ歯の支えにすることもできます。しかしながら、嘔吐反射の強い方は、入れ歯をお口の中に入れているだけで気持ち悪くなり、吐き気を催してしまいますから、慣れるまでは時間がかかります。このように患者さんのお口の中の状況は千差万別ですから、入れ歯を同じ歯科医師が作っても、最初から咬める人と調整に時間がかかる人の差がでてしまいます。しかしながら、技術も進歩していますから “咬む”ということに大きな“希望”をお持ちになって下さい。
 最近のコマーシャルでは、入れ歯安定剤をよく耳にします。確かに安定するようですが、入れ歯の咬み合わせをチェックしないままに慢性的にご使用になると歯槽骨の部分的吸収が進んでしまう場合もあります。入れ歯の治療は1度や2度でバッチリさせることは難しいので、5回でも6回でも入れ歯が合うようになるまで根気よく主治医の先生に診てもらうのを忘れてはいけませんし、また、毎日の入れ歯の清掃は忘れないようにして下さい。

 

(医学博士、日本口腔インプラント学会認定医 簗瀬 武史)

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