市民新報コラム

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謹賀新年 (2008年1月)

読者の皆様、あけましておめでとうございます。本年が皆様にとりまして幸多きことを祈願させていただきます。

現在、日本は政治のモラルのなさ、米国追従型の模倣により歪みが産まれており、それは国民が苦しむ一因になっています。官僚は年金制度や薬害を見ても彼らが構築、保持しているシステムを疑うことなく、結局、国民がその疲弊や崩壊により損失を被るまで改善しません。また、その責任を問われると、所在を不明にし、円滑な制度の運用にストップをかけてしまいます。そのために建築許可が遅延し、歯科医療でも新たなインプラント(人工歯根)の医療器具認可が認められないなどが実例です。

その一方、米国追従型のシステムの導入には疑うことをしません。そのために我々が幼き日に感じていた先生への畏怖と感謝の気持ちは失われてしまい、子供を叱る、しつけるという本音の教育が現場でできなくなっているように感じます。

昨今、報道されているように医療を取り巻く環境は決して芳しいものではありません。特に歯科医療は、歯科医師の供給過剰、保険点数の低迷、混合診療と問題は山積されています。日本の健康保険制度は、世界にも類を見ない国民すべてが医療を享受できる素晴らしいサーヴィスでした。私が過去形で表現するのは、必ずしも現在、その制度が国民の医療の向上に寄与していないからです。

歯科においても多様化する歯科医療、患者さんの全身的健康に寄与する歯科医療を実践しようとする場合、「虫歯を治すのみ」の理念にたった現制度は大きな壁になります。そのために顎関節症や全身疾患を罹患した患者さんの治療に支障がでています。混合診療を円滑に運用することが、市民の皆様の経済的負担を減らし、より質の高い医療を提供できることは明らかですが、制度はなかなか変わりそうにありません。

本年もルールを遵守しながらも誇りと誠意をもって猪突猛進するのみかもしれません。今年はねずみ年ですが・・・


(文責 日本口腔インプラント学会指導医  医学博士 簗瀬武史)

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