市民新報コラム

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西郷どん2(2018年3月)

そして西郷隆盛の座右の銘が、「敬天愛人」です。貴賎なく、貧しい人の心に寄り添った西郷隆盛らしい銘です。人には天から与えられた命「天命」があり、それにしたがって生きることこそが人の道である。「天命」にしたがって生きると、そこには自ずと「慈愛」の心が生まれる。太陽が地上の生きとし生けるものに平等に光を与えるのと同じように、「仁愛」を持って生きることこそが「天命」である、という意味です。

さて現代の日本で、この「敬天愛人」「為政清明」を貫いている政治家が何人いるのか?
そう考えると暗澹たる思いがするのは、私だけでしょうか?
歯科界においてはどうでしょう?
現在歯科界はまさしくRevolution とEvolution の只中にあると存じます。権威的な組織の既得権益は加速度的に失われ、臨床や研究成果に対しての情報開示の徹底が進み、歯科医師が自分の信じる医療を自由に推進できる環境が整いつつあります。それと同時に、海外企業の参入などによる競争、過度の利益追求型の歯科医院経営など、弱肉強食のロジックも色濃く現れてきているように思われます。
良い傾向としては、昨今マスコミではようやくインプラント治療のリスクを叩くのをやめて、口腔の状態を健全に保つことが、いかに全身の健康を維持することに貢献するか、口腔疾患と糖尿病や合併症との密接な関連性などについて、より詳しく報道してくださる機会が増えてきたように思います。これが歯科界の追い風となり、歯科医というものは、ただ歯を治す医者ではなく、多種多様なアプローチで口腔全体から最も身近に患者さんの健康に寄与できる医者でもある事が認識され、また歯科医一人一人がその自覚を持って患者さんに接してくれる事を願います。
そんな時に、やはり忘れてならないのは西郷さんの座右の銘である「敬天愛人」と大久保利通公の「為政清明」です。「人の心」は幕末や明治維新の頃と、少しも変わっていないはずです。

(文責:日本口腔インプラント学会 理事 医学博士 簗瀬 武史)

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