市民新報コラム

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インプラントのかぶせもの(2010年09月)

インプラント治療ではインプラント(人工歯根)をあごの骨内に埋入手術し、骨と結合するまで一定期間待った後にインプラントの上にかぶせもの(上部構造)を作ります。
かぶせもの(上部構造)には大きく分けて、オールセラミックス、メタルボンド、ハイブリッド・セラミックッス(ハイブリッド)、硬質レジン、金属があります。患者さんにとっては難しい選択です。

オールセラミックスは審美性において優れており、現在ではセラミックでかぶせものを製作することが主流になりつつあります。セラミックでは天然歯と同じ質感、色調、透明感を再現することができ、特に前歯では最良のかぶせものです。また、オールセラミックスですと金属を使用しないものもあり、金属アレルギーの患者さんも質感を損なうことなく、かぶせものを製作することができます。
メタルボンドはプラチナの合金にセラミックを焼き付けたものです。多数歯におよぶかぶせものの際はメタルボンドですと製作途中で修正しやすいため、オールセラミックスではなくメタルボンドを選択した方が好ましいケースもあります。審美性にはすぐれているセラミック系のかぶせものですが、大臼歯はくいしばりや歯ぎしりで強い力がかかるのでセラミックがときどき破折することがあります。
硬質レジンはやわらかく摩耗しやすい欠点があり、ハイブリッドはセラミックと硬質レジンの中間素材ですが審美性においてセラミックより劣ります。
金属は、金合金、チタン合金、金銀パラジウム合金(主として、健康保険で使用している金属)などがあり、主に金合金が使用されています。

お口のなかのかぶせものは24時間過酷な状況で機能しています。また、ヒトのあごの位置やかみあわせの高さは変化します。よってかぶせものは一生ものではなく、数年後に交換しなければならないケースもあります。歯科医院によって保証期間を設けている医院もありますので、よく主治医に相談されて選択することをお勧めします。


(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)

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