市民新報コラム

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インプラントと歯根膜(2012年7月)

一般的にお口は上顎骨・下顎骨・天然歯で構成されていると認知されていますが、実際は上顎骨・下顎骨・歯槽骨・天然歯・歯根膜で構成されています。

歯槽骨は歯の周囲にあり、歯を支える骨です。歯槽骨は加齢とともに吸収が生じたり、また抜歯をしてしまうと経年的に多大な吸収していきます。そのために入れ歯を入れてもだんだん歯槽骨が吸収を起こしていき、入れ歯が合わなくなったり、ブリッジと歯茎の間に隙間ができて食べ物がつまったりします。近年、社会的に認知されたインプラント(人工歯根)でも年間0.2mm程度の骨吸収が生じる場合もあり、0.2mm未満の骨吸収であれば、施術に問題があるわけでなく、生体の正常な生理的現象であり、失敗ではないと言われています。

歯根膜は天然歯の周囲にあり、クッションの役割をしたり、その中にある圧センサー(感覚受容器)でその歯に加わる咬合圧を察知します。もうひとつは歯の周囲に歯槽骨を保つという大きな役割があります。つまり、天然歯が残っていれば、その歯の周囲の歯根膜が、歯槽骨の吸収を防いでくれるわけです。歯が数本しか残っていないのに、その残存歯が歯周病に罹患していない場合は、その歯の周囲の歯槽骨は十分残って盛り上がっていて、逆に歯を抜いた部位は大きく骨がやせてしまっているケースが高齢者の方の臨床例に多く見受けられます。
天然歯とインプラントの大きな違いはインプラントには歯根膜がなく、骨とインプラントが直接、結合しています。インプラント表面の骨の細胞の入れ替わり(リモデリング)が良好ですと予後がいいのですが、それがうまくいかないと天然歯より、インプラント部位での骨吸収が進んでしまうこともあります。またインプラント周囲の骨が感染を起こし、炎症が存在すると骨は吸収してしまいます。

インプラントを施術された患者さんは必ず、定期検診を受診され、咬み合わせや骨の状態をチェックする必要があります。

(文責 日本口腔インプラント学会 指導医 医学博士 簗瀬武史)

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