市民新報コラム

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自由診療について(2001年3月)

 皆さん、歯科治療というと「お金がかかる」というイメージをお持ちですが基本的には診療はすべて健康保険でまかなうことができます。ただ、「歯科診療」は、虫歯・歯周病・抜歯などの「治療」と歯に被せたり、入れ歯を入れたりする「機械的・審美的再建」と大きく大別されます。基本的には歯科開業医のほとんどは保険医ですから「治療」の大部分は健康保険で行うのですが、「再建」の部分に関して見た目を重視した被せ物や違和感の少ない入れ歯の種類によっては健康保険が利かなくなってしまいます。
 日本の歯科医の診療報酬は先進国の中では低いほうですから自由診療(健康保険外診療)との差が大きくなり、歯科診療はお金がかかるという図式ができあがっているように思います。また、「治療」でも特殊な材料を使用し、歯周病で失われた歯槽骨の回復を行う手術やインプラント(人工歯根)施術の場合は健康保険で行うことはできません。
 では、「一番いい診療」とはどんな治療なのでしょうか?歯科医はプロですから患者さんが望まれればどんな治療も行えますが、私は、歯科医の知識・技術、通院できる期間や恐怖心の克服・治療への理解度などの患者さんの都合、また患者さんの歯科治療にかけるご予算がちょうど重なり合ったところが「一番いい診療」だと思います。
 つまり、健康保険・自由診療に関わらず、歯科医のアドバイスの元にご自身が受ける歯科診療をご理解し、その上ではっきりと希望を歯科医に伝えることが大切だと思います。歯科診療の主人公は歯科医ではなく、患者さんご自身なのです。また、納得した上での自由診療ならばその良さもわかっていただけると思いますし、衝動買いをしたときの後悔に似た気分になることもありません。迷っている場合は、最初は保険診療で直してみるのも一案です。
ただ、自由診療でどんなに良いものをお口の中に入れても口腔内の健康を維持していくのは毎日のブラッシングと定期的な検診なのでそれをお忘れなく。

 

(文責 医学博士 梁瀬 武史)

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