市民新報コラム

市民新報コラム

インプラント治療の選択(2012年2月)

最近、インプラント治療がテレビや雑誌で話題になっています。表現によってはインプラント治療が悪い治療法のような表現がありますが、入れ歯やブリッジにしないでそしゃく機能やしっかりした咬みあわせを獲得できる有用な治療法です。現在では多くの歯科医がインプラント治療を手がけ、症例数も急激に増加しているため、それに伴い偶発症が発現した症例や短期間でだめになってしまう症例が増えているのも事実です。インターネットには広告規制がないため、○○学会認定医や年間数千本の自称名医が多いのも事実です。インプラント医については(公社)日本口腔インプラント学会と(公社)顎顔面インプラント学会が厳しい基準の指導医・専門医制度を創設しています。残念ながら厚生労働省の認可する標榜資格にはなっていないため、それぞれの学会のホームページを見る必要があります。ただし、専門医資格は試験に合格すれば取得できる資格ですが、任意なため専門医資格がなくても卓越した臨床手技を有している歯科医師も多くいます。

インプラント治療の難しさは、口腔外科的な知識だけでなく歯周病学、補綴学、歯内療法学など歯科学の集学的な治療である点です。インプラント治療単体での知識だけではないため、修得には時間と努力が必要です。私が若い頃は大学でもインプラント臨床はあまり行われておらず、インプラント学の講義もありませんでした。そのために臨床医は卒業してから自ら学びの場を見つける必要があったため、業者主導の教育のみの臨床医も生まれてしまいました。近年は各大学でも担当教授が教育を行うようになり、臨床研修にも導入されています。最良のインプラント治療は主治医の先生とじっくり相談をすることから始まります。そして、インプラント治療のメリット、デメリット、リスクをはっきりと説明し、無理に誘導することなく患者さんのご意思を尊重する歯科医を選択すべきかと考えます。

(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬 武史)

2021年

2020年

謹賀新年with Corona

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年

2003年

2002年

2001年

2000年

1999年

市民新報記事一覧にもどる

上にもどる