市民新報コラム

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レーザーと歯の健康(2000年9月)

最近、レーザーの脱毛等美容広告で見受けられますが歯科の分野でも利用されています。レーザーというと殺人光線などと若干「イメージの悪い光」の感がありますがその使用は非常に有用です。ハードレーザーは炭酸ガスなどその発振源により数種類に分類できますが、原理は光に電磁的作用(電子レンジを思い浮かべてください)や光化学的作用を利用し、レーザー照射した部位は800℃~1500℃の温度上昇を起こしその組織は瞬間的に気化・蒸発します。なんだかとても熱そうで痛そうですが火傷と混同しないで下さい。
 この瞬間的な作用の繰り返しにより生体を切開したり、腫瘍の除去が行えるのです。しかも、熱により血管の凝固を起こすためメスよりも少ない出血で切開を行うことができます。レーザーの殺菌作用・創傷治癒促進作用や鎮痛作用もあるため腫れや後からの出血・痛みも少なく術後の傷の治りも早いのです。
 具体的には、悪性腫瘍の除去や唇にできる血管腫や粘液腫などの除去、子供の舌の裏側の舌小帯(筋・すじ)や上の前歯の間の上唇小帯切除等に使用します。また、歯肉がメラニン色素で変色している場合にその除去にも使用できます。また、レーザーは歯肉・粘膜だけでなく虫歯の治療にも使用可能ですし、歯根の先の膿がたまっている歯の根管治療にも殺菌効果を期待し使用できます。しかもこれらの使用時は0.1~0.5秒間隔に数回照射するためほとんど痛みは感じないため麻酔も要りません。(ここが火傷と違うところです)他には歯周病や歯牙の知覚過敏症の治療にも応用することができます。レーザーはすべての治療に使用効果があるわけではないのですが、症例や適応症を歯科医が選べば従来の治療法よりも有用です。
 歯科治療も新しい治療器具がありますがこのレーザーも歯科において一部の腫瘍の除去を除いて健康保険の適用外になっており、その使用はここの歯科医の裁量のもとに行われているのが残念です。


(文責 医学博士 梁瀬 武史)

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