市民新報コラム

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子供の歯並びと咬合誘導(1999年11月)

検診に行ってお母様方からよく相談されることが2つあります。1つは、指シャブリをしているのだけれど大丈夫か?ということ、もう1つはお子さんの歯並びが悪いのだけれどいつ頃歯科矯正を始めたらいいのか?ということです。
今回は、この2つについて私の考えを交えてご説明します。

まず1つめの指シャブリについてです。赤ちゃんの指シャブリは、生きるための欲求とストレスの発散に役立つとされています。吸うということは食事に関連していますし、非常に大切なことです。また、歯も生えそろわない時期に歯並びを気にして指シャブリをやめさせる必要はありません。むしろ、赤ちゃんのなかでのストレスをためてしまうことにもなりかねません。そういう意味では、指でなく市販の乳首をお勧めします。人間は、口と鼻で呼吸することができます。しかし、口呼吸は口腔を乾燥させ虫歯や歯肉炎を助長します。口を封鎖されることで、鼻呼吸することを覚えるというメリットもあるのです。しかし、いつまでも(といってもはっきりとはいえませんが)させていると出っ歯になってしまうのも事実なのです。
それに関連して、矯正の開始時期についてですが、前号でお話したように矯正装置をつけているのは中学生や高校生に多いようです。しかし、小学校低学年で始めるほうが有効な症例は多々あります。一般的に第1大臼歯(6歳臼歯)が萌出した段階で装置をいれて、その後の永久歯が萌出環境をつくるのは大切なことです。子供の骨の成長にはピークがありますが、ピークの前であれば、顎骨の成長をコントロールしながら歯を並べることができるからです。顎の大きさと歯の大きさのバランスを整えるのが咬合誘導、歯科矯正の役割ですから、しっかりとした専門医に相談だけでも早めにされるのがよろしいかと思います。


(医学博士、日本口腔インプラント学会認定医 簗瀬 武史)

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