市民新報コラム

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インプラントのコンピューター支援(2012年10月)

1900年代、インプラント治療は顎骨に何を植えればよいか?生体に対して観和性のある材料はなにか?を求めて研究されていました。いろいろな合金が使用されましたが、チタンが生体に対していちばん観和性がよいということがわかり、現在はほぼすべてのインプラントが純チタン、チタン合金が使用されています。次にインプラントの形状すなわち、インプラントにカが加わったとき、全体にくまなく力が分散され、その力が骨に均一に加わる形状がコンピューターで研究されました。その結果、現在多く使用されているネジのような形状のインプラント体になりました。 インプラント体は術者の手技で顎の骨に埋入しますが、CT スキャン(3次元エックス線断層撮影)で診断する時代が到来し、さらに、CTとコンピューターソフトを組み合わせて、埋入するインプラントの太さ、長さ、埋入する方向を決定することができるようになりました。このように、さらに詳細な術前診断が可能になり、インプラントの安全性は高まりました。

インプラントを埋入後、最近では金属を使用しない上部構造(被せもの)をコンピューター(CAD/CAM ) で制作できます。このようにコンピューターがインプラント治療には深く関わっています。最近、歯茎を切開せず、CTとコンピューターで制作した手術用のステントを使用して行う手術も行われ、コンピューター万能のような印象を与えますが、あくまでも診断と埋入の最終決定はコンピューターでなく人間(術者)でなくてはなりません。優秀なデジタル機器がありますが、未だ、人間の経験則と勘所をすべて補うことはできません。もしも、施術の安全が損なわれた時にコンピューターは責任を負ってはくれません。やはり、施術は術者がその手術の課程をコンピューターからの情報に基本手技と経験則と勘所を加味しながら、総合的な判断で進めていくことが安全と安心のインプラント治療には不可欠です。

(文責 日本口腔インプラント学会 理事・指導医 医学博士 簗瀬武史)

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