市民新報コラム

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本分と覚悟(2011年1月)

読者の皆様におかれましては新年をお迎えになって、健やかにお過ごしのことでしょう。 昨年来、政治や経済も乱れ、日本人が社会不安を感じながらの一年でした。

私が最近思うことは、「日本という国を考えること」「職業における本分と誇り」「個人の義務と権利」が現在の日本社会から失われていることがこの一因であるかと考えます。 例えば、尖閣諸島の問題や進展のないままの状況を見ていると、日本という国が国家としての体を成なしていないような気がいたします。また、政争に明け暮れて、支持率の確保のためにばら撒き行政を主導している政治家や、本当に国を支えるために汗を流している人々の努力を認められない政治家を見ていると、日本を一等国にするために命を懸けていた明治時代の政治家とはかけ離れたものを感じます。また、大衆迎合した責任なき論評ばかりで世論を形成してしまうマスコミの報道姿勢にも疑問を感じます。

教育問題に関しても、問題を持つ教師の存在も困り者ですが、もう一度学校教育を信じることのできる環境へ改善しなければなりません。惑わせるような時代の中で、私たちは一筋の光を頼りに未来を開いていかなければなりません。

私が身をおく歯科医療の世界も、医療費抑制の煽りを受け、患者の皆様の治療技術への期待に反して健康保険診療を施行するにあたっての、縛りの強化や診療報酬のダウンなど、決して芳しい状況とはいえません。このような状況下ですと、インプラント治療をはじめとする健康保険外診療を目的とする診療が行われがちになります。 しかしながら、多くの歯科医は、全ての国民の皆様を咬めるよう笑えるようにするために努力しており、本分を貫くためには、利益追求型の診療体系を行わない覚悟を持っています。

医療の世界は閉塞感に包まれていますが、医療人が本分と覚悟を持って、日々患者さんの診療を行うことが皆様の健康を守ることであり、それが我々の胸を張れる誇りだと思っています。


(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)

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