市民新報コラム

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歯周病の治療 (2006年7月)

歯周病は、多くの患者さんの歯槽骨を破壊し、その影響は、全身的健康まで脅かすことは最近の研究で明らかになっています。

例えば、血栓を作りやすくするので、血管が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞などの一因となります。また、妊婦の方が、重度の歯周病に罹患していると早産の危険性は高まります。患者さんによっては、歯周病は、髪の毛が白くなったり、視力が落ちたりなどと同様に加齢により起きる病気と考えていますが、これは大きな間違いです。

歯周病は口腔内に存在する歯周病原菌による感染症ですから、治療により完治もしくは改善することができます。ただ、歯周病は歯茎の痛みや腫れなどの急性症状や歯のグラグラ感がないと、患者さん御自身が認識のないままに進行し、自覚症状が出たときには抜歯をしなければならないほど手遅れになってしまうことが多々あります。歯周病原菌は歯と歯茎の間の溝、歯周ポケット内のプラーク(歯垢)や歯石に存在します。

歯周病の初期治療は個々の歯の歯周ポケットの深さ、歯茎の炎症の度合い、歯の動揺度などを評価した後、プラークコントロールとスケーリング(歯石の除去)から開始します。プラークコントロールは患者さんが主体ですから、正しいブラッシング方法を習得してもらわなければなりません。初期治療により歯周ポケットは浅くなり、その内側の清掃性も高まり、出血等の症状は軽減します。

その後は、第2段階、第3段階と評価と治療を進めていき、重度の患者さんの場合には、歯周外科手術を行い、完治を目指します。同時に、咬み合わせが悪くなり特定の歯へ過重負担が認められる場合は、歯の咬みあわせ調整を行ったり、被せ物の交換を行います。歯周病の治療に患者さんの協力は不可欠です。毎日、通院というわけにはいきませんから日々の効果的なプラークコントロールなしに改善することはできません。また、治療終了後も定期的な検診とスケーリングも良好な予後のために重要です。


(文責 (社)日本口腔インプラント学会 指導医・医学博士 簗瀬 武史)

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