市民新報コラム

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医療改革? (2002年1月)

最近、医療改革が叫ばれ、医療費抑制により診療報酬の減額が決定されましたが、2,3年後には社会保険本人の一部負担が3割になろうとしています。これは構造改革の一環なのかもしれまんが、歯科に限っていえば「構造改悪」でないかと思っています。
戦後、歯科医が不足していた時代に先人の先生方は朝から夜遅くまで肉体を酷使し、国民医療に取り組んでいた時期が30年近く続きました。国からもその努力は認められ、その診療報酬は医科よりも高い時期もありました。ただ、業界の護送船団方式とその驕りに対して国や国民からの歯科医療への評価に変化が生じたと思います。戦後、歯科においては主として虫歯の治療が行われていましたが、歯科医学の進歩により、歯周病の治療の重要性、全身疾患や健康維持と口腔内疾患との関連性、顎関節症と歯科医の守備範囲は以前より広がってきています。しかしながら、それらの治療への評価は決して高くはありません。
例えば、歯周病の治療も健康保険の制約を受け、それは患者さんの通院回数の増加につながり、どうしても来院できない状態になり、完治にいたらないこともあります。また、入れ歯や被せ物においても患者さんの咀嚼(そしゃく)や審美性への期待に十分に答えるものではない場合も生じます。世の中もデフレ傾向にあり、何でも安価や減額の方向にありますが、構造改革は表面上のものでなく、その基本を変えることでよりよい方向へ導く手段であると思います。医科・歯科を含めてその医療技術・治療の必要性・重要性を再評価し、それに値する診療報酬を決定し、また、システム自体の改善を行うことが真の医療改革だと思います。とはいうものの、不良債権処理を見ても大きな変化もありませんし、医療の変化も乏しいかもしれません。ではどうすれば?定期検診の受診と朝・昼・就寝前のブラッシングから始めてみたらいかがですか?そうすれば3割支払う必要性も減りますし!

 

(文責 医学博士 簗瀬武史)

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