市民新報コラム

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咬むと痛い!(2003年6月)

患者さんからの主訴で多いのは「咬むと痛い!」という言葉です。

この痛みの原因は複数考えられます。まず、多いのは歯周病に罹患している歯牙の周りの歯周組織が急性の炎症を起こしている場合です。歯に力が加わることにより化膿している歯の周囲に圧力が加わりますから、痛みが出現します。ちょうど、化膿した傷口を突っつく状態になるからです。

また、虫歯が深くなり神経が壊疽をおこしている歯や神経を抜いて差し歯やかぶせ物がしている歯でも歯根の先に根尖病巣(膿がたまっている)がある歯はやはり同様の痛みがでます。
虫歯が原因で咬むと痛みが出る場合は歯に大きな穴があいている場合(潰瘍性歯髄炎)にその虫歯の穴に咀嚼した食べ物が詰まるとやはり咬んだときに痛みがでます。

金属冠を被せたり、部分的な金属を詰める治療したばかりの歯でもその咬み合わせが高い場合は過重負担になりますから、痛みが出現します。その場合には歯科医師に咬み合せ調整をしてもらわないと痛みは軽減しません。しかしながら、歯に金属冠やセラミック冠を被せる治療をした直後の歯に痛みが出現する原因は咬み合わせが高いことではなく、根尖病巣の治療や歯の神経(歯髄)を抜いたばかりの歯が治療や薬剤の刺激により一過性の歯根膜炎をおこしていること場合も考えられます。この痛みは一過性ですから、最初は痛くても時間の経過とともに消失していきます。

ときには歯周病でもなく、根尖病巣もない健康な歯でも痛みがでる場合があります。ヒトの咬み合わせは加齢とともに変化しますから、咀嚼時に下顎を横に動かした場合に特定の歯が強くぶつかったり、ストレスで就寝時に歯軋りやくいしばりをするようになり、歯が強くぶつかるようになった場合も痛みを伴うようになります。

「咬むと痛い!」という症状は「気のせい」ではありません。必ず原因がありますから、そのままにせずに歯科医師に相談し、診断・治療をしてもらってください。

 

(文責 医学博士  簗瀬武史)

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