市民新報コラム

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インプラントのお手入れ(2010年4月)

現在、インプラント(人工歯根)治療は、一般的な歯科医療として施術され、多くの皆さんが「咬める喜び」「しゃべれる喜び」を享受しています。インプラントの利用法は、骨の中に埋入した後に土台を立て、上部構造物(被せ物)を装着したり、入れ歯の脱落やがたつきを防ぐためにインプラントと磁石の組み合わせなど応用します。

インプラント治療は健康保険外治療ですから、長持ちしてもらわないと困り者です。やはり、生体に埋め込むものですから、多くの要因に左右され、早期に脱落してしまう場合もあります。インプラント治療を行っている大半の歯科医は、一定の保証期間を設けています。ただ、その条件は厳しいところでは、一度でも3ヶ月から6ヶ月毎の定期健診を受診されない場合は、その効力を失ってしまいます。  
やはり、患者さん御自身がインプラントの良好な予後を得るための認識を持っていただくことが重要になります。一番簡単であり、また継続していただきたいのが日々の歯磨きです。インプラントはチタンという金属でできていますから、虫歯になることはありません。ただ、チタンと骨は強固に結合しますが、天然歯と異なり、歯肉のような歯周組織とは結合しません。よって、天然歯よりインプラントの方が、歯周病原菌による感染をしやすいです。また、人の下顎の位置は変化しやすいですし、経年的にかみ合わせの高さは低くなっていきますから、定期健診でかみ合わせのチェックを行い、上部構造の微調整も必要です。また、骨粗しょう症のお薬を服用し始めると骨の形状は維持できますが、骨の質は低下するため、インプラント表面の骨の細胞の入れ替わり(リモデリング)も低下してしまいます。
このようなインプラントをダメにしてしまう要因への対処のためにも定期健診は必要なのです。車も定期整備やオイル交換などのメインテナンスを行わなければ故障します。インプラントも機能させる道具ですから車と同じなのです。


(文責 (社)日本口腔インプラント学会指導医・神奈川歯科大学客員教授 簗瀬武史)

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