市民新報コラム

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歯と健康~子供の歯並びと咬合誘導(2011年9月)

検診に行って保護者の方から相談されることが2つあります。1つ目は、指シャブリをしているのだけれど大丈夫か?、2つ目はお子さんの歯並びが悪いのだけれどいつ頃歯科矯正を始めたらいいのか?ということです。

三つ子の魂百までといわれるように数えの3歳、つまり満2歳から自我が芽生え始めます。当然、ストレスや不満も持ち始めます。赤ちゃんの指シャブリは、生きるための欲求とストレスの発散に役立つとされています。吸うということは本能的に「生きる」ための要求、おっぱいを吸うという非常に大切なことです。保護者の方は心配されますが、歯も生えそろわない時期に歯並びを気にして指シャブリをやめさせる必要はありません。むしろ、赤ちゃんのなかでのストレスをためてしまうことにもなりかねません。そういう意味では、指でなく市販の乳首(特にヌークの乳首)をお勧めします。

人間は、口と鼻で呼吸することができます。しかし、口呼吸は口腔を乾燥させ虫歯や歯肉炎を助長します。口を封鎖されることで、鼻呼吸することを覚えるというメリットもあるのです。しかし、永久歯がでてくるまでさせていると出っ歯になってしまいます。ただ、成長とともに周囲に友達ができ、社会的に適応していく段階で自然と指しゃぶりをしなくなります。
お子さんの矯正の開始時期についてですが、一般的に矯正装置をつけているのは中学生や高校生に多いです。しかし、小学校低学年で始めるほうが有効な症例は多々あります。一般的に第1大臼歯(6歳臼歯)が萌出して歯根が完成した段階で装置をいれて、その後の永久歯が萌出環境をつくるのは大切なことです。子供の骨の成長にはピークがありますが、ピークの前であれば、顎骨の成長をコントロールしながら歯を並べることができるからです。顎の大きさと歯の大きさのバランスを整えるのが咬合誘導、歯科矯正の役割ですから、主治医の先生に相談だけでも早めにされるのがよろしいかと思います。


(日本口腔インプラント学会指導医・専門医 医学博士 簗瀬 武史)

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