市民新報コラム

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御来光とお天道様 (2022年1月)

今日は令和3年12月22日です。原稿の締め切りがありますので新年まであと10日間ありますが、パソコンに向かっています。あと10日間、変異株の流行も自然災害も事件も起きずに皆さまが健やかな新年をお迎えになることを切に願っています。

日本人は結婚式を教会で行うけれど、お葬式は仏式のお見送りであったりして信仰心が薄いと言われることもありますが、日本人の根底にあるのは自然信仰であると思います。
古くから山の神、海の神への祭事が行われてきましたし、GPSや海図もない沿岸航法の時代に「岬」は「御崎」「美崎」と呼ばれ、命の道標として感謝の対象でした。
新年は御来光に皆が手を合わせて感謝と祈願をしますが、私は令和4年のテーマは「お天道様が見ている!」にしたいと思っています。子供の頃に米粒を残すと祖母に厳しく𠮟られました。お百姓さんの汗と自然の恵みを粗末にしてはいけないという教えです。「お天道様が見ている」というのは日本人の心の規範であり、「感謝」「利他の心」「武士道にもある惻隠の情」など人として大切なことを自己の中に持つという素晴らしい考え方であると思います。

近年、個の大切な言葉や心を他が批判したり、踏みにじったり、ひどい場合はSNS上で誹謗中傷の渦に巻き込こんだりします。時には命さえも奪ってしまいます。お天道様の下で利己よりも利他の心で人に接し、人の言葉に耳を傾け、人の笑顔を見て幸福に感じる心持が大切であると思います。また、私はゲームをしませんが、人々が平和を望みながらもゲームというバーチャルの世界の中で戦を楽しんでしまうことも不思議です。その時間を読書に充てればと老婆心ながら思ってしまいます。

令和4年は平時の暮らしに戻り、合わせて日本中に笑顔が広がり、健康でない方、闘病中の方も幸福に感じる社会でなければいけないと思います。今一度、「慈しみ」を取り戻す社会になればよいと思っています。

(文責:神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬 武史)

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