市民新報コラム

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問診の大切さ(2016年12月)

昔は歯医者というと「虫歯を削る人」「入れ歯を作る人」というイメージでしたが、この数十年で歯科医学は進歩し、歯周病を改善すると糖尿病も改善されること、歯周病が悪化すると心筋梗塞や脳梗塞の発生比率が増えること、また歯周病が妊婦さんの早産の原因になること、肺炎の70%以上が風邪をこじらした肺炎ではなく、誤嚥性肺炎であり、口腔ケアをすることにより、誤嚥性肺炎を防げることなどもわかってきました。 現在、日本は超高齢社会を迎え、470万人以上のMCI(軽度認知障害)の方がいるといわれていますが、この方々も口腔機能を維持することにより、身体運動能力も維持され、認知症への移行を予防し、遅延させることもわかってきています。以前にも増して、国民の健康維持に歯科医療が寄与していると言えます。それに伴い、前述したように歯科医療も高度なものになっており、お薬の投薬や治療方法も複雑になってきています。 基本的に歯科医療は「外科処置」ですから、局所麻酔薬の使用や出血を伴う観血処置を行います。

我々は初診時に「問診」を行いますが、どの歯が?いつ?どのように?痛くなったか?もお伺いしますが、それと同時にお体の全身状態や過去、現在、罹患されているご病気のことやお薬や食べ物のアレルギーについてもお伺いします。 患者さんによっては歯の治療だから全身疾患とは関係ないと自己判断されてお申し出のない患者さんも時たま見受けられます。卵白や大豆にアレルギーがある患者さんの場合に使えないお薬や循環器系疾患の患者さんは治療の前日からの抗生物質の前投薬が必要な方もいらっしゃいます。 また、感染症に罹患されている方の治療は院内感染を防ぐために特別な消毒滅菌をします。重篤な場合はお薬によってアナフィラキシーショックを起こす場合があります。 歯科受診時には自己判断をせずに問診時にお体の状態もご申告され、おくすり手帳を持参されることをお勧めいたします。

(文責 神奈川歯科大学 客員教授 医学博士 簗瀬 武史)

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