市民新報コラム

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大きな勘違い? (2001年9月)

「甘いもの」というとまるで歯の大敵のように思われていますが、大きな勘違いがあります。私も友人の小児科医も子供にはルールを守って大いに(?)甘いものを与えています。 以前は甘いものの大量投与は低血糖を招き、子供の情緒・行動に影響を与えると云われていましたが、WHOにおいてそれについて検証はできませんでした。現在、脳の重量は体重の約2%ですが、その主要なエネルギーは脂肪やたんぱく質でなくブドウ糖であり、なおかつその消費するエネルギーは体全体のエネルギー消費量の約20%であることは明らかにされています。また、ブドウ糖は他の臓器でも必要とされています。高齢者の記憶と糖の摂取との因果関係、その他、定期的な糖の摂取が脳の発育に必要なことは明らかにされています。発展途上国においてはおやつも含めて6回の食事を与えて、定期的に糖を補給して子供の知能の発育が遅れることを防いでいるのです。最近のお母様方は意外と食事をコンビニエンス(簡単に)に考えて、その割には「甘いものは虫歯の大敵」だから、お子さんに与えないという短絡的な傾向があります。糖分はすべて甘いお菓子からとるだけではありません。バランスを考えた手作りの食事の中から摂取するものですし、3時のおやつの中から摂取するものです。やはり、お子さんの一日の栄養バランスを考えて食事・おやつを与えるべきだと思います。前述したように高齢者の方も必要十分な甘いものをお口にされるべきです。ただし、みなさんがご存知のように虫歯の原因のひとつにはなります。それは歯ブラシ(ブラッシング)をなさらなかたり、例えば寝る前に食べるとか、お子さんが一日中、飴をダラダラ食いしているような場合です。むしろ、糖分はルールを守って必要な量をとるべきです。歯医者が「糖分のススメ」とは誤解を招きそうですが、やはり、すべての栄養をバランスよく摂取することが大切なことですね。

 

(文責 医学博士 簗瀬武史)

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