市民新報コラム

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3DS (2005年10月)

「3DS」とは聞きなれない言葉ですが、デンタル・ドラッグ・デリバリーシステムの略であり、新しい虫歯予防の方法のひとつです。

虫歯は虫歯菌(主としてミュータンス菌)や乳酸桿菌が作る酸に歯が溶かされてその後、歯の内部に虫歯菌が入り込む感染症です。
虫歯菌は、歯の表面だけに付着して増える為、赤ちゃんでも歯が萌出するまではお口の中には存在しません。ところが、1歳半~2歳半の間にお母さんの唾液や一緒に使ったお箸やスプーンを介して、いろいろな細菌とともに虫歯菌も赤ちゃんに感染し、萌えたばかりの乳歯の表面に虫歯菌は定着し始めます。

お母さんが治療していない虫歯や虫歯菌が多いと、お子さんのお口の中は虫歯菌の多い細菌叢を形成し、お子さんが虫歯になるリスクも増加します。また、その細菌叢の細菌の組成は大人になっても変わりません。

「3DS」は、個々の患者さんの唾液テストを行って、虫歯菌の量を調べ、虫歯菌の多い患者さんに薬剤を使用し、虫歯菌の除菌を行う予防方法です。通常、虫歯菌はバイオフィルムという細菌膜を歯の表面に形成しており、これがバリアとなって、薬剤が直接効かない状態です。まず、このバイオフィルムを歯科医もしくは歯科衛生士が機械的な清掃で徹底的に除去をして、薬剤の効果を高めます。もちろん、お口の中の処置されていない虫歯の治療も行います。
その後、歯型から製作したトレーに薬剤を塗布し、それを歯に被せて除菌します。また、除菌と同時にご自宅ではフッ素を用いて、虫歯菌が再度、定着しないようにします。

その効果は、個々の患者さんによって異なりますから、3DS後には再度、虫歯菌の量を調べる検査を行い、必要があれば、再度、薬剤による除菌を行います。通常、その効果は約6ヶ月続くといわれていますが、個人差があるので注意をしてください。残念ながら3DSによる予防は、健康保険適応外診療ですので、その費用は歯科医院によって異なります。

 

(文責・医学博士 簗瀬武史)

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