市民新報コラム

市民新報コラム

コロナウィルスと口腔衛生 (2020年5月)

歯科治療により患者さんにコロナウィルスの感染を起こすような無責任な報道がありましたが、現在、歯科治療により患者さんがコロナウィルスの感染した例は一例も報告されていません。元々、お口の中は細菌が多いところなので歯科医療従事者は患者さんと同じように自分たちも細菌感染を防ぐようなスタンダードプリコーション(感染症の有無にかかわらずすべての患者に適用する疾患非特異的な予防策)に熟知しています。もちろん、コロナウィルスの蔓延により通常以上のレベルアップした滅菌・消毒を行っています。

コロナウィルスは糖尿病や肺疾患などの基礎疾患をお持ちの方やご高齢で免疫力が下がっている方は感染すると重篤な症状に陥ってしまいます。現状、効果的な治療薬がありませんのでその方の体力や処方される薬の効果に頼るしかありません。
4月上旬、歯科医療従事者には厚生労働省より歯科医療の継続を行うよう文書が発出されました。コロナウィルスの予防のためには充分な睡眠と「食べること」です。皆様がご自身の免疫力を上げることが不可欠です。外出を控えるなどストレスもたまりやすい現状ですが、ストレスは免疫力を低下させますから大敵です。
そして、「お口の中を清潔にすること」も大切です。お口の中にはコロナウィルスのレセプターが存在します。また、お口の中が不潔で歯周病原菌が多いと細菌がプロテアーゼという物質を産生し、プロテアーゼはコロナウィルスを活性化、つまり、ウィルスを元気にさせてしまいます。唾液の量もコロナウィルス予防には大切です。 唾液の中には抗ウィルス物質や免疫作用のある物質がたくさん含まれていますから唾液の量が少ないより多い方が予防になります。咀嚼(そしゃく)機能を維持することは栄養を取るだけでなく、唾液の分泌量も植えて予防になります。またお口の中が不潔に細菌だらけになっているコロナウィルスに感染した時にウィルス性肺炎を起こしやすくなります。

(文責 神奈川歯科大学客員教授 医学博士 簗瀬武史)

2020年

2019年

2018年

2017年

2016年

2015年

2014年

2013年

2012年

2011年

2010年

2009年

2008年

2007年

2006年

2005年

2004年

2003年

2002年

2001年

2000年

1999年

市民新報記事一覧にもどる

上にもどる