市民新報コラム

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21世紀の歯科医療(2001年1月)

新しい100年を迎えて皆様新たな気持ちになっていらっしゃることと思いますが、この新世紀に日本の歯科医療は変わると私は思っています。
まず、歯科医療の定義が治療からさらに予防重視に変わると思います。従来からもヨーロッパでは1年に1~2回は定期検診を受診し、患者さんが個人の責任で「歯の健康」を維持するのが当たり前です。ですから、例えば急に痛くなってもすぐに診てもらえない場合もあります。
日本的発想ですとこんな不親切な話はなさそうですが、個人の管理責任が存在するのですから患者さんも待って文句が出ないのです。国民性の違いもありますが、確かに歯の場合は日々のブラッシングと検診でかなり健康を維持することができるからです。「虫歯のバイ菌」を薬でやっつけるのは難しいかもしれません。自然界に細菌は存在しているわけですし、ある意味ではバランスを保っているわけですから、それだけやっつけるとそのバランスがくずれてしまいます。やはり、歯ブラシでばい菌が歯を溶かす前に掃除する方法が一番だと思います。ただ、フッ素でエナメル質を強くするように虫歯を予防するための環境を作る方法は進歩すると思います。
歯科の技工は変わるかもしれません。歯科技工士が作りますが、さらにコンピューターのCADの進歩により白い歯をもっと安価に短時間で作れるようになると思います。
治療においては、DNAの解明により再生治療が取り入れられるかも知れません。現在、チタン製インプラント(人口歯根)を顎に植立しますが、人間の歯根をつくりそれを顎にインプランとする時代がくるかもしれません。ただ、非常に高価な医療になることは間違いないと思います。
暗い話題は、国の財政的な問題が原因で将来、歯の被せ物の一部が、健康保険でできなくなるか、患者負担が増えることも予想されます。最後に、21世紀はより口腔内の疾患と全身疾患の関係も解明され、歯科医療が重視されると信じています。

 

(文責 医学博士 梁瀬 武史)

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