市民新報コラム

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インプラントの素材(2002年11月)

近年、インプラント(人工歯根)療法は多くの歯科医が行うようになり、また、施術を受ける患者さんも増加し、社会的に認知されてきました。また、その臨床の予後は10数年を超える例も多く、その確実性も証明されてきています。顎に植える手術というと怖そうですが、局所麻酔で行いますし、むしろ親知らずの抜歯よりも楽な場合が多いほどです。

現在、日本では主に20種類ほどのメーカーのインプラントが使用されていますが、素材的には表面がチタンのものとチタンにハイドロキシアパタイト(人工的な骨に近い無機質)を溶射したものの2種類に大別できます。100%チタンは地球上では作ることはできませんから、純度99%程度の合金でできています。チタンは酸素に触れるとその表面に酸化膜(TiO)ができますから、生体親和性を有します。 また、インプラントの周囲の骨が感染を起こした場合、その治療がやりやすく、だめになってすぐインプラントの除去をする危険性が低い利点があります。

ハイドロキシアパタイト(人工的な骨に近い無機質)を溶射したものは、チタンインプラントより早期に骨との結合が起き、また骨の細胞の入れ替わりも活発である利点がありますから、骨質が悪い方には最適です。但し、メーカーにより、その製造法に優劣があり、ハイドロキシアパタイトが経年的に溶けてしまったり、感染を起こした場合はダメージが広がりやすい欠点もあります。

インプラントの素材・形状も各メーカーにより様々ですから、インプラント医はそれぞれの利点・欠点を把握し、症例により使い分けを行います。患者さんから生体への為害性について質問されますが、世界中でインプラントが原因で腫瘍等が発病した例は報告されていません。インプラントを使用することにより、入れ歯を入れないで澄んだり、またガタガタの入れ歯の維持を改善することができます。最大の欠点は、…健康保険が効かないことかもしれません。


(文責 医学博士 簗瀬 武史)

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